2007年 03月 11日
歩む道の選択 |
世の中には、ほんとうに色んな人がいる。 自分も変わった人間のひとりかもしれないが。
先日、90歳近い先輩からお電話を頂く。 美しく知的に老いることの規範となる大先輩。 様々な時代を歩んでこられた苦楽を全部飲み込んで、今日を爽やかに生きておられる様子である。
電話を切る直前に、ふと話が家族のことになり、初めて娘さんがおられることを知る。なんと、なんと国境なき医師団(Medecins sans Frontieres)からソマリアに赴任しておられることを聞く。 西野さんという産婦人科医。
早速、インターネットのMSFを検索。
思いがけず、この医師のインタヴューが掲載されている。 医者になったときから、MSFのような国際社会貢献を目指し、そのために経験、専門的技能を身につけることに努めてこられたという。
20年以上勤めた東京の病院を退職し、55歳でこの活動に参加された。ソマリアでの15年間続いた紛争、平均寿命47歳と聞いただけで、その劣悪で過酷な日々が思いやられる。
一方に東京での安楽な生活がありながら、それを捨てて自らの身の安全をも賭けてこのような社会貢献できる決断力をもち、行動できる人を、尊敬するという当たり前の表現では事足りない気がする。
あの母にしてこの子ありなのでしょうね。
今日は、この西野るり子さんという医師の生き方に圧倒された。 それにひきかえ自分の傲慢な考えに嫌気がした。
http://www.msf.or.jp/
定年退職を5年早くきりあげ、海外の大学でボランティア活動に入る予定の私は、自分の健康や身の安全を賭けてまで出かける覚悟は毛頭ない。 ミャンマーの国立大学に行った仲間がぼうふらの沸いている水で顔を洗うとか、タイの農村部では温水が出ないので、炊飯器でお湯を沸かすなどの話を聞いていたので、私は赴任地を選ぶ条件を次のように宣言している
1. 自分が求められている場所
2. 温水のシャワーが出るところ
3. 治安の心配が少ないところ
もう私の魂は軟弱で堕落しきっていて、湯船がないまでも、せめて温水のシャワーを浴びることができることというのは、譲れない。
傲慢さがわかっていても、恥ずかしながら、この傲慢をお供に行く自分。
あぁ なんと情けない!!
でも、これが偽らない自分である。 つまり、自分はこの程度の”ひと”なのである。
by Sidediscussion
| 2007-03-11 10:35
| 教育
|
Comments(3)
すばらしい方がいらっしゃるのですね。私も国境なき医師団の
本などですごい医師団と仰ぎ見ています。
3条件はお仕事の性質がちがうのではないでしょうか?
教育には3条件が必要なのではないでしょうか?普通のときは。
ドロンコで病気でお怪我の先生ではどうでしょうか?普通のときは。
でも今の世界では何時普通でなくなるかもしれません。
その時は、がんばらなければ。
本などですごい医師団と仰ぎ見ています。
3条件はお仕事の性質がちがうのではないでしょうか?
教育には3条件が必要なのではないでしょうか?普通のときは。
ドロンコで病気でお怪我の先生ではどうでしょうか?普通のときは。
でも今の世界では何時普通でなくなるかもしれません。
その時は、がんばらなければ。
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こんにちは。特急内での最低の男と、最低の周囲の人たちのニュースで、怒りで眠れなくなってしまっていたのですが、ブログを拝見して良かった。私も何かしなければと思いつつ、生活に追われて、結局文句を言うばかり。一歩、踏み出すSidediscussionさんは実にエライのです。それにボランティアであれ、仕事であれ、大きく無理をすると続きません。9月からですか?どうかできる程度に、楽しめるように頑張ってください。
Commented
by
Sidediscussion at 2007-05-01 11:00
さなえさま
いつもブログ読ませていただいています。 考えて知的に日々を過ごしておられるのがよく分かります。
ほんとうに怒り心頭で眠れなくなる気持ちわかります。でも、やっぱり眠ってください。ご来訪ありがとうございます。
8月末にハンガリーに出かけます。
いつもブログ読ませていただいています。 考えて知的に日々を過ごしておられるのがよく分かります。
ほんとうに怒り心頭で眠れなくなる気持ちわかります。でも、やっぱり眠ってください。ご来訪ありがとうございます。
8月末にハンガリーに出かけます。