合わせれば、票数にして自民党を220万票上回る。

 全国289の小選挙区では、自民党の得票率は48%だが、議席数では75%を獲得。これが自民党の大勝を決定づけた。

 後援会や地方議員らの組織力や公明党との選挙協力で、選挙区での自民党の地盤は強い。

 同時に、1議席を争う小選挙区制度では、第1党の獲得議席の比率が得票率に比べて大きくなる傾向がある。これが自民党を後押ししたことも確かだ。

 投票しなかった人を含む全有権者に占める自民党の絶対得票率は小選挙区で25%、比例区では17%にとどまる。つまり、自民党は有権者の4分の1から6分の1の支持で、全体の6割もの議席を得たことになる。

 安倍首相は投票翌日の記者会見で「今まで以上に謙虚な姿勢で真摯(しんし)な政権運営に努める」と語ったが、当然だろう。

 気になるのは、同じ会見で首相がこうも語ったことだ。

 「同じ総裁のもとで3回続けて勝利を得たのは、立党以来60年余りの歴史で初めてだ」

 党幹部からは、来秋の党総裁選での「安倍3選」を支持する声が早々に上がっている。

 もう忘れたのか。そんな「1強」の慢心こそが、政権におごりとひずみを生んだことを。

 首相の「謙虚」の本気度が試されるのは、早期に国会審議の場を設けるか否かだ。

 8月の内閣改造から間もなく3カ月。閣僚の国会演説すら行われていない。憲法に基づく野党の臨時国会召集要求も無視して、である。

 こうした国会軽視、憲法軽視の姿勢をまず正さなければ「謙虚」も「真摯」も口先だけ、と言われても仕方がない。

 自民党の議員たちにも問う。

 首相の政策や政治姿勢に何の異論もないのか。活発な議論を失ったまま、唯々諾々とついていくだけの与党でいいのか。

 公明党の衆院選比例区の得票数は、05年の郵政選挙をピークに減少傾向にある。山口那津男代表が反対を明言していた集団的自衛権行使を認めたように